2026.03.16

大学生が焼津市の未来をデザインしてきました

法学部の学生が、焼津市役所(静岡県)から「やいづライフプロモーションデザイナー」という公職を委嘱され、一年間活動を進めてきました。

一般に「大学で学ぶ」と聞くと、教室で講義を受け、ノートを取り、試験を受ける――そんな姿を想像するかもしれません。もちろん大学には講義もあります。しかし、大学の学びの魅力はそれだけではありません。法学部の牧瀬ゼミナールでは、教室の中だけでなく、実際の社会に出て地域の課題を調査し、解決策を考える実践的な研究活動を行っています。

今年度は、やいづライフプロモーションデザイナーとして、焼津市が抱えるさまざまな課題に取り組んできました。たとえば、人口減少や空き家の増加、地域の魅力をどのように発信するかといったテーマです。これらはニュースでもよく取り上げられる社会的な課題ですが、ゼミでは「自分たちがその解決策を考える」という点が特徴です。

具体的な活動として、学生たちは焼津市を訪れ、市役所の職員や地域の事業者に話を聞きながら調査を進めます。さらに、統計データの分析や先進事例の研究を行い、地域の実情を多角的に理解します。たとえば、空き家問題の研究では、大学生の視点から空き家の活用方法や予防策を検討し、不動産事業者へのヒアリングや若い世代のニーズ調査なども実施しました。こうした研究を通じて、地域の課題を自分たちの問題として考える力を身につけます。

また、焼津市の移住・定住を増やすためのシティプロモーションの研究にも取り組みました。学生たちは子育て施設の視察や現地調査を行い、地域の魅力をどのように伝えればよいかを考えます。SNSの活用方法を研究するために、インフルエンサーの撮影現場を見学するなど、実際の情報発信の現場にも触れました。こうした経験をもとに、地域の魅力を若い世代に伝える具体的なアイデアをまとめていきます。

そして、この活動の大きな特徴は、研究の成果を「政策提言」としてまとめ、実際に市長や市役所の幹部職員に発表することです。学生たちが現地調査や分析を重ねてまとめた提言は、行政からも高い評価を受けました。大学生の研究が、実際の政策検討に役立つ可能性がある――これは、普通の授業ではなかなか経験できない貴重な体験です。

 

この活動で身につくのは、単なる知識だけではありません。地域を歩き、人と出会い、情報を集め、仲間と議論しながら答えを見つけていく。その過程で、課題を発見する力、論理的に考える力、そして人と協力して物事を進める力が自然と育っていきます。こうした経験は、将来どのような進路に進んでも必ず役立つ力になります。

法学部には、「大学でしかできない経験をしたい」「社会の役に立つ研究をしてみたい」と考える学生が挑戦できる学びの環境があります。大学には、まだ見たことのない世界があります。そして、その世界を自分の足で歩き、社会とつながりながら学ぶことができます。

日々、学生は地域の未来を考える研究に挑戦しています。きっと、これまで想像していなかった新しい学びと出会えるはずです。