法学特論の講義では、法律の実務に携わっている方々からリアルなお話を聞くことができます。
普段の座学とは違い、グループワークなどを通じて実技の法律を学ぶことができ、なぜ法律を学ぶのかを考えるきっかけとなっています。生活するうえで必須となる法律のリアルを知ることは、就職活動においても必ず活きると思います。
ウクライナ戦争によって、国際秩序は大きく揺らいでいます。
この講義では、このような中で、人権の保障をはかり、国際平和を模索するにはどうすればよいか、ウクライナとヨーロッパのみの問題としてだけではなく、国際社会や日本とのかかわりの観点からも考えていきます。
ほかの講義との違いはどこにありますか?
法学理論を中心としがちな法学科の科目の中で、まさにいま、目を向けてもらいたい現在の社会的課題や問題・施策などを幅広く学生とともに考えていく講義です。外部のゲスト講師も迎え、時代に向き合うコンテンポラリーなトピックスを、順次取り上げていく予定です。
𠮷田仁美 法学部教授講師の方はどんなかたがいらっしゃいますか?
2023年度については、武藤達夫教授(国際法・国際人権法)、高瀬幹夫教授(ヨーロッパ政治)が、エキスパートの視点から、混迷する世界情勢について話します。また、日本に逃れてきたウクライナ難民支援について、鎌倉市のアルペなんみんセンター(2022年神奈川県弁護士会人権賞受賞)事務長・有川憲治さんから現場の声をお話しいただきます。
毎年テーマが変わると聞きました。どういったテーマを予定していますか?
2024年度は、超高齢化社会における、刑事司法と福祉など、法学に関連する学際領域分野の実務上の課題がテーマです。検察庁や刑務所に社会福祉士が配置されるなど、分野を超えた連携が行われています。2025年度は沖縄の現状について、多角的に考える講義を予定しています。
各市役所の職員から、直接お話を聞けるのは貴重な経験でした。興味深かったのは、鎌倉市が東日本大震災の出来事を地域に活かせるよう、岩手県民の声を聞きに行ったことです。その結果、災害の恐れから、鎌倉市役所を現在の場所から高台に移す計画を立てていると学びました。意外な繋がりを知り、地域との連携の重要さを理解できました。
このプロジェクトに参加し、多面的に沖縄のディープな部分を学べて貴重な体験になりました。ウチナーンチュ大会前夜祭パレードに参加した際、沖縄にルーツを持つ人が世界中にいることが興味深く、また参加してから、沖縄に関するニュースや食文化などに関心を持つようになり、レポートやグループワークでこの経験を活かしています。
法学特論(司法)では、法律の知識が社会の中でどのように活かされているのかを実践的に学ぶことを目的としていますが、法適用のHow toを学ぶだけではなく、弁護士が実際に取り扱った事件を通じて、普段は日の当たらないマイノリティーの権利などについて目を向けてもらい、これから社会に出て行くうえで、広くて公平な視野をもつ大人になってほしいという思いをもって授業をしています。