教員紹介

法学部教員コラム vol.16

2013.06.26 法学科 三原 園子

コーポレート・ガバナンス報告書−人材育成への意識改革−

法学部では、法学部教員の研究生活の一端や、大学人として折にふれて感じたことを、コラムとして順次紹介しています!

 

 

2013-6-26 掲載
vol.16   『コーポレート・ガバナンス報告書−人材育成への意識改革−』
執筆者:法学部 教授 三原園子 (会社法、商法)

 

 

 

 

つつじの花に彩られたキャンパスの様子 (2013年5月撮影)

 

 

このほど、全国の証券取引所が上場会社に義務付けている「コーポレート・ガバナンス報告書」の中で、女性役員の人数、役員会の中での男女比、の開示が要請されることとなった。安倍晋三首相の「全上場企業に少なくとも一名以上の女性役員を」との発言を受けての動きであり、内閣府と東京証券取引所など全国5証券取引所が推奨する。
女性幹部の割合が増えてきたとは言うものの、現在、日本の大企業における女性取締役の割合は2%台、課長以上も4%台と、国際的に見て非常に低い水準にとどまっている。しかし、「元始、女性は太陽であった」(平塚らいてう)と言われるように、天孫降臨に遡る天照大神の頃は、女性は男性と対等であった。それが戦国の世に一変する。企業戦士という言葉が象徴するように、企業も戦場である。銃後の守りを担う女性は、第一線で敵と相対する男性と役割分担の面で異なることも多い。しかし、企業の中には、営業・経理・研究開発・財務・人事・総務・販売・労務などそれぞれ異なる持ち場、役割があり、適材適所で、各部署毎に責任者もいる。
1986年に男女雇用機会均等法が施行された後も、多くは女性であるというだけで採用されず、採用されても女性が重要な地位に就くことは殆ど無かった。さらに、お茶くみ、給湯室の掃除が女性の仕事とされた。しかし、男女雇用機会均等法が改正され、看護婦が看護師に、ステュワーデスが客室乗務員へと名称変更される。
また、漸く日本でも、北欧で始まったクォータ制の浸透によって、構成員の内4分の1以上を女性にしようという動きが見られるようになった。2003年の男女共同参画推進本部において「2020年までに、指導的地位に占める女性の割合が少なくとも30%程度になるよう期待する」との政府目標が定まった。
今年2月、経済産業省と東証は、「なでしこ銘柄」として女性社員を積極的に登用している花王など17社を選定した。声高に「女性の登用を!」と言うのはいささか過剰反応に感じられるが、今後、男女が共同参画する社会環境を醸成していくためには、現在の積極的な女性登用の動きは「意識改革」のためのカンフル剤として必要と言えるであろう。

 

 

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