教員紹介

法学部教員コラム vol.13

2013.02.04 法学科 土浪 博

選挙とストーンズに思う

法学部では、法学部教員の研究生活の一端や、大学人として
折にふれて感じたことを、コラムとして順次紹介しています!

 

 

2013-2-4 掲載
vol.13   『選挙とストーンズに思う』
執筆者:法学部 准教授 土浪博 (世界史、ドイツ語など)

 

 

自民党の圧勝に終わった衆議院総選挙投票日の午後、有料放送でザ・ロ−リング・ストーンズ結成50周年記念コンサートが生中継された。50年!である。ボーカルのミック・ジャガーもギターのキース・リチャーズもいまや69歳になった。かつては若者の音楽であった「ロック」をかかえてヴェテランたちが転がり続けていることが「若い」ミュージシャンになげかけている問いは重いと思う−なぜ「ロック」なのか。

 

 

1973年に予定された来日公演がチケット発売後に中止というアクシデントにみまわれ、日本国内で見るのは不可能といわれたこのバンドが初めて日本にやってきたのは1990年、ベルリンの壁崩壊の翌年であった。東京ドームで1ヶ月の間に10回のコンサートが行われ、ドームが、いや日本中が揺れた。当時はコンサート会場へのカメラと録音機器の持ち込みが厳しくチェックされ、会場の入り口ではカバンの口をひらいてみせるよう求められたものだ。

 

 

今では機器のコンパクト化や多機能携帯電話の普及のため、面倒な持物検査が行われることはまずなくなった。人件費をかけてチェックを試みても「もとがとれない」のだ。技術の進歩が既存のルールを変質させたといえるだろう。規範意識(特に何をやってはいけないか)が変わったというより、きちんととりしまれなくなって、規範の枠組み自体が形骸化したのであろう(だれも守ってないじゃん)。インターネットや携帯端末の普及、情報のデジタル化の進展に伴って、旧来の知的所有権に対する考え方は大きく揺さぶられつつあるのだ。

 

 

今までの価値観を維持するために負うべき社会的コストが膨大になるとわかったとき、われわれはどうすればいいのだろうか。そして持続可能な社会の構築に向けて膨大なコストをかけてもやらなければならないことは何かを判断する基準は何だろうか。

 

 

今回の選挙では、原発の社会的コストをどう考えるかという問いが国民に向けて投げられたはずたが、私自身は空振りしたような、あるいは見逃してしまったような気がしてならない。

 

 

 

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