教員紹介

法学部教員コラム vol.10

2012.12.14 法学科 串田 美保子

アメリカで目撃したグループ意識―――「ソロリティー」後編

法学部では、法学部教員の研究生活の一端や、大学人として折にふれて感じたことを、コラムとして順次紹介しています!

 

 

2012-12-14 掲載
vol.10【アメリカで目撃したグループ意識―――「ソロリティー」】
執筆者:法学部 教授 串田 美保子 (社会言語学、TOEICスキルズ、英語リーディング、メディア英語など)

 

 

本コラムは、前編・後編の2回に分けて紹介します!

 

 

【後編】→前編は◇◆◇ こちらをClick!◇◆◇

 

 

私に声をかけてきたソロリティーグループΦΣΣ(ファイシグマシグマ、略してファイシッグ)は、たまたま交換留学生だった私がたまたま同じ寮に住んでいたということだけで声をかけてきたのですが、見るからにお金持ちの女子だらけで、モデルもすぐにやってのけられそうな美人集団でしたので、美人でもなく裕福でもない私は圧倒されっぱなしでした。また、さらに驚かされたのは、このソロリティーなほぼ全員がアングロサクソン系の白人だったことでした。同じ寮に住んでいるご縁だけで、美人でもお金持ちでもない私はその後入会候補者「プレッジ (Pledge)」という非公式新メンバーに認定され、期間限定でこのΦΣΣの仲間に入ることが「許可」されましたので、帰国までのたった2ヶ月未満の間でしたが、複数のイベントへ参加することで、教科書や印刷物ではとても知ることができないような様々は人間模様を目撃しました。

 

 

 

 

本来はこの後約10週間のプレッジ期間が続き、その間にいわゆる上級生のシスターズたちからの審査を経て、晴れて本物のメンバーになれるかどうかが決まる、ということになります。
この仮入会で私にさらに見えてきたのは、このΦΣΣのお相手になる男子グループがフラタニティーのΚΣ(キャッパシグマ)であるということでした。このΚΣは学外でも全米レベルで大規模なグループのフラタニティーだそうで、やはりメンバーの殆どが裕福な家庭出身で、勉強もスポーツも目だって優秀、ルックス抜群、ほぼ全員がアングロサクソン系の白人、という具合でした。例えば、今で言うところのイケメンぞろいで、ブラット・ピット似やデビッド・ベッカム似は掃いて捨てるほどぞろぞろいました。何かと理由をつけて合同パーティー(ファンクション“function”といいます)を開き、最終的にはカップル成立も大いに目指していたようです。なるほと、これでスムーズにいけば美男美女のカップル成立で、5月末の卒業式の後に順調にジューンブライドというわけね、上手くできてる!と私は妙に感心したものでした。これも映画「キューティーブロンド」で盛り込まれています。このカップルがうまくいかなかったことでストーリー展開が面白くなっていくわけですが。
もちろん、アメリカという国をこのソロリティー・フラタニティーだけで語ろうとは私は決して思いません。ただ、その後私がアメリカで、あるいは、限られた期間だけ滞在したことのあるヨーロッパのさまざまな地で、体験したり垣間見た人々の行動、特に、同じような人々でグループ化したがる人々の習性を、このソロリティーの底に流れる意識と符号するものがあるものだなあとその都度感じたのを思い出します。
そんな経験の後で日本に帰国してつくづく感じたのは、日本は本当に住みやすい国だということでした。日本はそのように、あからさまなグループ作りをする社会ではありません。渡米してアメリカらしい自由な空気を吸った反面、そこで初めて体験した様々な意味での「息苦しい体験」は、今の私の大きな財産になっています。

 

 

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