教員紹介

法学部教員コラム vol.4

2012.10.17 法学科 阿部 徳幸

消費税で本当に大丈夫?

法学部では、法学部教員の研究生活の一端や、大学人として
折にふれて感じたことを、コラムとして順次紹介しています!

 

 

2012-10-17 掲載
vol.4 【消費税で本当に大丈夫?】
執筆者:法学部 教授 阿部 徳幸 (税法、税法と政策など)

 

 

 

 

消費税率のアップが決議されました。14(平成26)年4月1日から8%、15(平成27)年10月1日からは10%となります。

わが国にはさまざまな税がありますが、消費税はその中でも、もっともなじみ深い税の一つではないでしょうか。みなさんの日々の生活において、毎日毎日、何らかの消費(買い物)をしているはずです。その都度、消費税の負担が求められます。このようにみなさんの生活に密着している税が消費税です。しかし、みなさんはこの消費税の中身について、どのくらい知っているのでしょうか。

消費税はもっとも「悪い税」です。現在の消費税は一律5%です。高級外車を買う場合も、コンビニでおにぎりを買う場合も5%です。すべて5%なのだから、一見、公平のようにもみえます。しかし憲法は、税の負担について「能力に応じて負担する」ことを求めています(憲法14)。憲法にしたがえば、コンビニのおにぎりが5%ならば、高級外車はもっと高い率にしなければなりません。これを専門用語で「逆進性(ぎゃくしんせい)」といいます。消費税は不公平な税なのです。

 

 

またみなさんは、コンビニでおにぎりを買う時、100円のおにぎり代と消費税5円を支払っていると思っていませんか。じつはこれも違うのです。みなさんは消費税を支払っていないのです。消費税を納めているのはあくまでもコンビニ(事業者)なのです。消費税が導入される前、コンビニは100円でおにぎりを売って10円儲けていたとします。消費税が導入された後、同じおにぎりを売って10円儲けるとするならば、105円でおにぎりを売らなければなりません。消費税5円納めなければならないからです。

 

 

つまり、みなさんは105円のおにぎりを買っているのです。消費税を納める義務があるのはあくまでコンビニです。みなさんには義務はありません。義務がないということは権利もありません。権利がないのですから、何ら消費税に意見をいうことができないのです。

 

 

さらに現在、デフレが問題となっています。多くの事業者は、このコンビニのように消費税相当の金額をもらうことができず、自腹を切っているのが実情です。現在、最も滞納が多い税金が消費税です。滞納が続けばどうなるのでしょうか。倒産ということです。

 

 

このほかにも、消費税には多くの問題が内在します。たとえば、輸出中心の大企業は、消費税を一円も支払っていないことなどです。
消費税率のアップが決まり、わが国の税制は、消費税中心の制度となります。この消費税について、もっと考えてみる必要があるようです。

 

 

 

 

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